お役立ち情報

歯磨きの達人

虫歯の予防も歯周病の治療も、その第一歩は歯磨きです。

現代の歯科治療は、歯磨き抜きでは考えられません。

基本をご理解いただき、コツをつかんで歯磨きの達人になってください。

歯磨きの基本

  • 歯ブラシの毛先を歯の面に直角に軽くあて、往復運動によって歯垢(プラーク)を落とします。
  • それぞれ1ヶ所につき10~20回程度動かしてください。きっちり1ヵ所が終われば隣の歯へ移動してください。
歯の表側の磨き方
歯の表側
  • 歯ブラシを横にして歯面に対し直角に毛先をあてます。
  • 歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に毛先をあて、小刻みに軽い力で横に動かします。(このときは、歯の軸に対して斜め45度にあてると磨きやすいです。)

歯の裏側の磨き方
歯の裏側
  • 歯の軸に対して斜め45度にあて、表側同様に横に小刻みに動かします。

前歯の裏側の磨き方
前歯の裏側
  • 歯ブラシを縦にして、歯ブラシの「つま先」や「かかと」を使って上下に動かします。
前歯の裏側の磨き方
ブラッシング時間
  • 全体としてかかる時間は、歯が全部そろっている方の場合で10~15分です。
    1日3回これだけの時間をかける必要はありませんが、1日1回は、その日のすべての歯垢を取り去るつもりで時間をかけてブラッシングしてください。
  • 就寝前に時間をかけるのがベストです。また、時間をかけて磨くには、「お風呂につかりながら」や「テレビを見ながら」など、ながら磨きをお勧めします。

ブラッシングのポイント

  1. 歯ブラシ選びは、達人への第一歩。
    歯ブラシ

    よい歯ブラシとは、

    1. 植毛部の長さは奥歯2本分程度(成人で20mm位)
    2. 植毛は3列で、毛足の長さは12mm前後
    3. 毛先は丸くカットしている
    4. 首の部分は細くなっている
    5. ハンドルは鉛筆持ちしやすい長さ・太さ
    6. 毛の硬さは中程度で腰がある
      (腫れ・出血があるときは軟らかめの歯ブラシを使用)

    毛の状態は、毛先の高さのそろった直線型がよいでしょう。

    ×山切り型、ドーム型
    (歯の形が必ずしもこれらの形や大きさになっていないので、磨けない部分が出てくる)

    毛の種類は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)がよく、ナイロンより数倍長持ちします。また、小さな歯ブラシがいいからといって大人が子供用の歯ブラシを使うのは間違いです。大人用と子供用では毛の長さが異なり、グリップも短すぎます。

    ×ナイロン、動物毛
    (毛が不揃いで、腰がなく使用後乾きにくいので不潔になりやすい)

    当院のものはすべてPBT使用です。

  2. 歯と歯の間に注意

    歯と歯の間は虫歯や歯ぐきの炎症が起こりやすいところです。歯ブラシのみのブラッシングでは、歯と歯の間の汚れ(プラーク)は約50%しか落とせません。

    歯ブラシの前にフロス(糸ようじ)や歯間ブラシの使用をお勧めします。歯ブラシの後でも効果は同じですが、するのを忘れないためです。

    ○フロス(糸ようじ)・・・誰でもお使いいただけます

    フロス

    のこぎりのように動かし、歯と歯の間を通過させた後、両側面にそれぞれ糸を沿わせ、上下に動かします。


    ○歯間ブラシ・・・歯と歯の間が広く、使う必要のある方のみ

    歯間ブラシ

    歯ぐきを傷つけないように、上の歯の場合は歯間ブラシの先をやや下向きに、下の歯の場合は先をやや上向きに挿入します。そして前後にゆっくり数回動かします。大きすぎるサイズを使用すると歯ぐきを傷つけたり、歯と歯の間を広げる原因になります。また小さすぎるとプラークを効率よく除去できません。サイズについては必ず歯科医か歯科衛生士の指示に従ってください。

  3. 歯ブラシは鉛筆を持つように

    歯ブラシをぐっと握り締めて力任せに磨くと毛先が開いてしまい、歯の面に毛先が当たらず、磨いていても「磨けていない」状態になります。また、歯の根元をすり減らしたり歯ぐきを傷つける原因にもなりますので、グリップの端のほうを「鉛筆持ち」するようにしましょう。

  4. 毛先が開いたら取り替えましょう

    歯ブラシを長く使っていると毛のコシがなくなって毛先が開いたり、擦り減ったりします。そうなると清掃効果が低下し、また歯ぐきの損傷の原因にもなりますので、衛生面も考え約一ヶ月での交換がよいでしょう。裏から見て、毛がはみだして見えたら交換時期です。

    ※1~2週間で毛先が開いてしまう方はブラッシング圧が強すぎます。

    歯ブラシ毛先イメージ
  5. 歯磨剤のつけすぎにご用心
    • ペースト状の歯磨剤は0.5g程度。これ以上多くつけると、口の中が泡だらけになって長時間磨くことができません。
    • フッ素入りの歯磨剤の場合は、量が少なすぎるとフッ素濃度が上がらず、その効果があまり期待できなくなります。歯ブラシの半分くらいの量がよいでしょう。
    歯磨剤の量
  6. 「同じところを行ったり来たり」は、いけません

    磨きやすいところばかりごしごし磨いていませんか?磨きにくいところはいつも磨けていないのではないでしょうか。

    磨き残しを無くすために、順序を決めて磨くようにしましょう。

    磨く順序の図
    磨く順序の例

    まずは磨きにくい利き手側の裏側から磨きましょう。

    ①ご自分の右下の奥★からスタートして、内側を左の奥まで磨く。そのまま左上の奥へ移動して、上の内側を右の奥まで磨く。

    ②右の外側▲へまわって左の奥へ、次に下の外側を磨く。

    ③最後に上下の噛み合わせの面を磨く。

    左利きの方は、左下の奥から始めて

  7. 「磨き残し」はないですか?
    • 舌先でなぞってみる
      うがいをした後、舌先で歯の内側、外側、噛み合わせの面をなぞってみてください。ぬるぬる、ざらざらしたところはありませんか?
      あれば、そこが「磨き残し」です。もう一度そこを磨いてください。
    • 染め出してみる
      歯垢染め出し液で染めてみましょう。
      歯垢のついている所が赤く染まります。目で確認できますので、何度か続けているうちに、磨きにくいところがわかるようになります。詳しい使用方法はスタッフにお尋ねください。
  8. プロのお掃除:PMTC

    PMTCとは、機械を使って徹底的にきれいにする方法のことです。

    いくら歯磨きが上手になっても、自分では100%歯垢を落とすことはできません。

    定期的に歯科医院でお口の中のクリーニングを受けましょう。平均的には3か月に1度位がよいでしょう。

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