院長・スタッフのコラム

2012年2月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その9

Q:音が鳴らない歯ぎしりがあるって本当ですか?
A:○ 本当です。

集中したときなどに、無意識のうちに歯をくいしばることも歯ぎしりの一つです。

みなさんも集中すると何か癖が出てしまうことはありませんか?

私は集中するといつも歯をくいしばってしまいます。

前々回のコラムで歯ぎしりにいくつかの種類があると紹介させて頂きましたが、今回は音の鳴らない歯ぎしりについて説明させて頂きますね。

心身にストレスがかかって緊張すると、顎を動かす筋肉も緊張し歯ぎしりを引き起こします。この筋肉の緊張では、歯にも強い圧力がかかります。一般に歯は大きな圧力に耐えられる組織ですが、上下の歯が長く接触し続ける持続的な力には弱いのです。

ふつう、上下の歯が接触している時間は一日合計しても、わずか十分程度です。ですからほとんどの時間は接触していないといえます。それなのにストレスにさらされて何十分も噛み締めていれば、その力を受け止める組織に負担がかかります。ましてやそれが習慣となると、いろいろな困った症状が起こってきます。たとえば、冷たい水がしみる知覚過敏、歯にひびが入ったり、割れたり、歯周病が悪化したり、さらに顎関節に力がかかると顎関節症にもなります。

上下の歯を強く噛み合せて顎をずらすと音がなります。これは前々回に紹介させて頂いたグラインディングです。一方、歯を噛み締めたまま、ずらさない場合もあります。ずらさないので音はしませんが、これを「クレンチング(無意識のくいしばり)」といいます。

やっかいなことに、本人が気付かないでいると、歯を失ってしまう原因の一つになります。

クレンチングは、無意識でのことなので、なかなか気付けないのですが自己診断ポイントとして、次の項目をチェックしてみましょう。

  1. 上下の歯の噛み合せ面が極端に摩耗して平らになっている
  2. 下顎の内側に骨の隆起がある
  3. 上顎の中央に骨の隆起がある
  4. 歯の歯茎との境目に鋭角に削り取られたようなへこみ(楔状欠損)がある
  5. 耳の穴の手前にある、顎関節の周囲を指で押すと痛みを感じる
  6. 顎のエラの部分の筋肉が張っていて押したときに筋肉痛を感じる
  7. 歯に接する頬の内側の粘膜に白い線がある
  8. 舌のふちに歯形の圧痕がついている
  9. 肩こりがする

歯の写真

以上の九項目中、三項目以上に該当すれば、クレンチングの可能性があります。

無意識に行っていることを自覚することは難しいかもしれませんが、その方法として緊張して何かに夢中になっている時にクレンチングしていないかどうか、ふっと手を休めて確かめて下さい。もし自覚されたり、気になることがあったりすれば歯や顎に異常がでていないか歯科で診てもらいましょう。

次回のQは・・・・
「フッ素を使うと虫歯の予防になるって本当?」です。

<歯科衛生士 神田和美>

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今月の合言葉は「クレンチング」です。

2012年1月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その8

Q:「虫歯、歯周病予防のために食後すぐに歯磨きをしています」
A:× ホントと思われるかもしれませんが、新しい知見では正解は、バツです。

私が学生だった40年くらい前は、3-3-3で歯を磨きましょうと教えられていました。つまり1日3回、食後3分以内に、3分間歯磨きをという意味です。

現在ではこの中で正しいのは、1日3回の部分だけでしょう。その理由を説明する前に食事とプラーク中のpHの変化についてまず説明します。

pHの変化

何も食べていない時の口の中のpH は、ほぼ7で中性です。食事をして炭水化物が口の中に入ってくると、虫歯菌によって代謝され酸が生成されます。

そしてpHが下がり続けエナメル質が溶け出すpH5.5より低くなると、歯の表面からカルシウムやリン酸が、イオンとなってプラークや唾液中に溶け出します。それを脱灰(だっかい)とよび、食後3分位でpHがピークになるので、3分以内に歯を磨こうと言われていました。

その後は唾液の洗い流し作用、希釈作用、緩衝(かんしょう)作用などで自然にpHが回復し、pH5.5を越えるとカルシウムやリン酸が再び歯に沈着し、溶けた部分が修復されます。これを再石灰化(さいせっかいか)とよんでいます。

口の中ではたえずこの「脱灰と再石灰化」つまり「溶解と修復」のバランスで歯の健康が維持されているのです。また特に酸性の強い飲食物を摂取すると虫歯菌の作用を介さずその酸により、直接歯が溶かされてしまいます。酸蝕症の詳細はこちら

このように食後すぐの脱灰が進んでいる状態でゴシゴシ歯を磨いてしまうと、軟らかくなっている歯が削られてしまう危険性があるのです。

では歯磨きはいつするのが良いのでしょうか?それは、pHが自然に戻り再石灰化が始まる食後30~40分してからということになります。

それでは3分間の歯磨きはどうでしょうか? 全ての歯がそろっている方が手用の歯ブラシを使って歯磨きした場合、きっちり磨くにはやはり10から15分必要です。電動歯ブラシでも3分はやや短すぎると思います。患者さんへの歯磨き指導では、「1日3回いい加減に3分間より、1回でも完璧に10分間磨く方が、効果的です」とお伝えしています。

次回のQは・・・・
「音が鳴らない歯ぎしりもあるってホントですか?」です。

<院長>

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今月の合言葉は「プラーク」です。

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